スマホ代を節約したいと考えたとき、まず候補に挙がるのが「格安SIM」。

格安SIMって本当に安いの? でも通信が遅いって聞いたけど・・・・・・
そんな疑問を持つ人は少なくありません。
本記事では、格安SIM歴10年の残念パパが、実際に使ってわかったデメリットと、格安SIMが向いている人・向いていない人の特徴を、わかりやすく解説します。
格安SIMとは何か


格安SIMとは、大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)から回線を借りて通信サービスを提供しているMVNO(仮想移動体通信事業者)や大手キャリア自身で展開しているahamoやpovoなど安価なサービス全般を指します。
通信設備を自前で持たないため、月額料金を安く抑えられるのが特徴です。
大手キャリアとの大まかな違い
項目 | 大手キャリア | 格安SIM |
---|---|---|
月額利用料 | 5,000〜10,000円 | 1,000〜3,000円 |
通信速度 | まあまあ安定して速い | 混雑時に速度低下する場合あり |
サポート | 店舗・電話サボートあり | 基本はWeb・チャット |
キャリアメール | 使える | 使えない(GmailやYahooメールで代用) |
乱暴に言うと、安い代わりにいろいろセルフサービスになるので、スマホやSIMについての知識がないと苦労するかも。
格安SIMを使う前に知っておくべき7つのデメリット


通信速度の不安定さ
ネットで情報を調べてみましたが、昼休みや通勤時間帯など、多くの人がスマホを使う時間帯は通信速度が著しく低下することがある……という見解が多かったです。
でも、通信速度遅延はdocomoやau、Softbank、楽天モバイルでも同じ事が起きるので、一概に格安SIMだからとは言い難いというのが当方の持論です。
当方はiijmioのDタイプ(docomo回線のこと)を利用していますが、心なしかdocomoのahamoが始まってから、回線速度が落ちた気がします(泣)
それまでは困ることなかったんですけどね。余談ですが、かみさんはタイプA(au回線)にしてますが、回線速度に不満はないようです。
最近は格安SIMでも回線速度が速いものが増えてきています。気になる方は契約前に評判をしっかり調べて判断しましょう。
サポート体制の薄さ
大手キャリアのような専門ショップでのサポートは多くはありません。トラブル時の対応はオンラインでのお問い合わせやチャットが基本で、初心者にはややハードルが高いと感じることもあります。
ただ、これは致し方なし。格安SIMは設備や人件費を抑えているから安いのです。
どうしても不安な方はmineoやY!mobile、UQモバイル、楽天モバイルであれば専門ショップもあります。ただ、店舗自体が少ないので、自分の家から通える場所なのか確認するのがおすすめです。
因みにdocomo直轄サービスのahamoは有償で窓口での対応も行っています。
限られたプランの選択肢
データ容量や通話オプションの組み合わせが少ない、または自由度が低いことがあります。「ピッタリのプランがない」と感じることもあるかも。
ただ、裏を返せばすっきりしているので、悩むポイントが少ないとも取れます。
初期設定やデータ移行を自分でやらないといけない
APN設定(通信の接続設定のこと)など、SIMカードを入れてから通信できるようにするまでの手順を自分で行う必要があります。初心者にとってはつまずきやすいポイントです。
一つ助言するならAPN設定はそんなに難しい作業ではありません。格安SIMの企業側で説明書も用意していますしね。
どちらかと言うとスマホも併せて購入した場合の旧スマホからのデータ移行作業の方が大変かもしれないですね。
SIMの即時発行ができない……ことが多い
格安SIMの場合、オンラインの手続きがメインなので専門ショップや窓口がないのが普通です。すると、SIMが届くまでに2〜5日間かかり、その間電話やネットが使えません。
でも、一部の格安SIMサービスでは専門ショップや家電量販店に窓口を置いているところはあります。その場合は即日発行も可能です。
mineoやY!mobile、UQモバイル、楽天モバイルは専門ショップがありますし、iijmioはビッグカメラやヨドバシに専用カウンターがありますよ。
最近はeSIM(イーシム)というSIMが内蔵されているスマホもあるので、Webから申込で即日開通もできてしまいます!
キャリアメールが使えない
多くの格安SIMでは、docomo.ne.jpやezweb.ne.jpなどのキャリアメールが使えません。GmailやYahooメールなどのメールアドレスを新規で作る必要があります。地味に面倒ですよね。
一応、docomoからahamoのサービスへ移行するときに月額を払えば、引き続きキャリアメールを利用できるサービスはあるようです。
最近はLINEなんかもあるので、キャリアメールにこだわる理由も少なくなってきています。少なくとも、当方や家族は困っていないですしね。
災害時のサービスが弱い
災害時に災害伝言板が利用できないというデメリットはあります。連絡手段は他にもあるのでそこまでのデメリットではないですが、悩ましいところですよね。
格安SIMにする4つのメリット


当然、「格安SIMにしてよかったぁ~」なメリットもあります。
月額利用料の安さ
格安SIMと銘打って安くないはずがありません。通話をあまりしない人や外出先でネットもSNSも動画もあまり見ない……なんて人は下手すると月額900円くらいで済みます。
当方は通話を基本的にしないのと、動画は通勤時間に見るので15GBのプランにしていますが、月1,700円〜2,000円程度しか払っていません。
店舗に行かなくていい
デメリットに店舗がないと書きましたが、スマホの操作で完結できるので慣れてしまえば無駄な時間を費やすことがありません。
その他にもショップの定員さんはノルマがあったりするので、不必要なプランの提案やイヤホンやら、充電器やら、スマホの周辺機器やらを勧めてくる方がいます。必要なものを必要なタイミングで提案してくる定員さんなら良いのですが、そうではない場合も多々あります。こういう煩わしさがないのも良さの一つです。
契約をかんたんに切り替えられる
当方はiijmioを利用していると前述しましたが、当方の契約している回線プランはdocomoです。でも、かみさんはauだったりします。しかも、家族でギガを共有するという摩訶不思議な状態が成立します。
このように格安SIMの提供会社の中には回線プランをdocomoやauなど回線キャリアを選べるサービスも結構あるので、「最近、docomoの回線遅いな」と感じたら、別キャリアに乗り換えるのも容易です。
翌月から通信容量を増減できる
『ちょっと通信容量足りないな』と思ったら、3GBのプランを来月から8GBのプランに変えたり、「思ったより容量余ってるな」と思ったら、20GBを10GBへ……みたいなことが気軽にできます。
プラン変更の心理的なハードルが低い!
月単位でプラン変更できるのは魅力です。
格安SIMのよくある質問(FAQ)
Q&Aの内容を格安SIMベンダーごとに星取表にまとめてみました。
事業者名 | 専門ショップ | 口座振替 | LINE年齢認証 | 家族割引 | 留守電・転送 | キャリアメール |
---|---|---|---|---|---|---|
楽天モバイル | ◯ | ◯ | ◯ | × | ◯ | ◯ |
mineo | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | △ |
IIJmio | △ | × | ◯ | ◯ | ◯ | × |
イオンモバイル | ◯ | × | ◯ | × | ◯ | × |
J:COMモバイル | ◯ | ◯ | × | × | ◯ | × |
ahamo | ◯ | ◯ | ◯ | × | × | ◯ |
BIGLOBEモバイル | × | ◯ | × | × | ◯ | ◯ |
povo | × | ◯ | × | × | ◯ | × |
Y!mobile | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
※「◯」は対応あり、「×」は非対応です。「△」は条件つきで対応あり。サービス内容は2025年4月時点の情報に基づいています。
格安SIMに向いている人と向いていない人
向いている人 | 向いていない人 |
---|---|
月に使うデータが少ない人(3GB~10GB) | 通信速度にこだわる |
スマホ代をとにかく節約したい人 | サポートを手厚く受けたい人 |
自分で初期設定やトラブル対応が平気な人 | キャリアのメールやサービスを引き続き使いたい人 |
基本的に一通りの設定やスマホを自分で探して、購入してこれる方であれば問題ありません。コストメリットも大きいし、慣れている人はそこまで苦痛はないはずです。
設定の手間やデータ移行、手厚いサポートを受けたい方や回線速度を気にされる方には向いていません。
もし、迷っている理由がサポートの薄さであるならば後悔すると思うのでやめましょう。
【参考】残念パパ一家の格安SIM利用の状況
SIM利用者 | 大まかなプラン | おおよその金額 |
---|---|---|
当方 | 音声・タイプD 15ギガプラン 通話料(従量課金) | 約1,700〜2,000円 |
かみさん | 音声/eSIM・タイプA 15ギガプラン つながる端末保証(※本人たっての希望) 通話料(従量課金) | 約2,300〜2,500円 |
子 | 音声・タイプD2GBプラン 通話料(従量課金) | 約900〜1,000円 |
※上記はBIG SIM(ビッグカメラでのサービス名称。中味はiijmioです)のプランです。
※家族割もあるので適用して計算しています。
格安SIMをこんな感じで利用中
当方は通勤の往復で3時間は移動に費やしています。そのため、動画や音楽視聴、ネットサーフィンに読書やブログ執筆とまぁまぁ通信容量(ギガ)を消費するので、15GBの契約にしています。
通話はほぼしないので、従量課金の契約で通話し放題的なものは選択していません。大体、LINEで済みますしね。
かみさんは子供のタブレットをテザリングすることも多いのと、動画や写真をたくさん撮影するので15GBの契約にしています。
電話はあまり使わないので、やはり重量課金です。つながる端末保証に入っているのはiPhone13が故障したときの保険として加入しています。
最後に中学生の我が子。外出することも増えて、友達とLINEしたり、外出先でGoogleMapや調べものをしたりなど。外にいる時間は短いので、通信容量は2GBのプランで十分事足ります。
家族全員で通信容量(ギガ)を共有しているので通信容量を使いきったことはありません。毎月、10GBくらい余ります。
IIJmioに興味ある方は以下の記事もご覧ください。


格安SIMのデメリットまとめ
格安SIMは年々進化しており、通信品質も改善傾向にあります。最近では「ahamo」や「povo」など、キャリア直下の低価格プランも登場しており、選択肢はますます広がっています。
とはいえ、「安さ」と「快適さ」のバランスを取るのが重要。まずは自分の使い方を見直し、それに合ったプランを選ぶことが何より大切です。
格安SIMは、うまく使えばスマホ代を大幅に抑えられる便利な選択肢です。
しかし、全員にとって最適とは限りません。今回の記事を参考に、自分に合ったスマホの使い方を見つけてください。
そうそう、格安SIMの検討をしたいなと思った方は以下の記事も参考にするとよいと思います。




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