スマートフォンやノートパソコンの充電技術は日々進化しており、その中でも窒化ガリウム(GaN)充電器が注目を集めています。
先日もこちらの記事を書きましたが、もっと詳しく調べてみようと思い書いてみました。

ということで、本記事では、窒化ガリウムの基本原理から従来の充電器との違い、メリット・デメリット、おすすめの製品、選び方まで詳しく解説します。
窒化ガリウム充電器とは

窒化ガリウムの基本原理
窒化ガリウム(GaN)は、シリコンに代わる次世代の半導体素材です。
高い電子移動度とバンドギャップを持つため、電力損失が少なく、高効率な電力変換が可能になります。これにより、従来のシリコン半導体よりも小型で高性能な充電器が作れるようになりました。
窒化ガリウムと従来の充電器との違い
従来の充電器はシリコン(Si)ベースの半導体を使用しており、発熱が多く、効率が低いという問題がありました。一方、窒化ガリウム充電器は以下の点で優れています。
小型・軽量化 | シリコンよりも高い電力密度を持つため、同じ出力でもサイズをコンパクトにできる。 |
高効率 | 電力の損失が少なく、熱を持ちにくいため、エネルギー効率が向上。 |
高速充電 | 電流の流れがスムーズで、高出力でも安定した充電が可能。 |
窒化ガリウム充電器のメリット

高速充電の実現
窒化ガリウムは、より高い周波数でスイッチングが可能なため、充電速度が大幅に向上します。特にUSB-CのPD(Power Delivery)規格に対応している製品では、スマートフォンを**30分で50%**以上充電できるものもあります。
発熱の少なさと効率の高さ
シリコン充電器に比べて電力変換効率が高いため、発熱が少ないのが特徴です。これにより、夏場の高温環境でも安定して充電できるだけでなく、電子部品の寿命も延びるため、長く使える可能性があります。
窒化ガリウム充電器のデメリット
壊れやすさと耐久性について
窒化ガリウム自体は耐久性のある素材ですが、高出力設計のため発熱や電流の負荷が大きくなりやすいという側面があります。特に安価な製品は耐久性が低い場合があるため、信頼できるメーカーの製品を選ぶことが重要です。
初期投資のコスト
窒化ガリウム充電器はシリコン製のものと比べて製造コストが高いため、価格がやや高めです。しかし、長期間使用できることを考えると、ランニングコストを抑えられる可能性があります。
窒化ガリウム充電器の選び方
窒化ガリウム充電器の選び方をご紹介したいと思います。
適切な出力ワット数の選択
使用するデバイスに応じて適切なワット数の充電器を選ぶことが重要です。
デバイスの種類 | 対応ワット数 |
---|---|
スマートフォン | 20W~30W(iPhone・Android) |
タブレット/Switch | 30W~45W(iPad・Galaxy Tab・Switchなど) |
ノートPC | 60W~100W(MacBook・ThinkPadなど) |
これは目安なので、持っているデバイスをちゃんと確認するのが大事です。
例えば、再起のMacbookAirなんかは45Wで充電できたりしますし。Windows系のノートパソコンは60〜65Wくらいが相場だったり……と。
ポート数や機能を考慮した選定
ということでQ&A方式で選定してみましょう。
- 最新デバイスしか持ってません!
-
USB Type-Cポートのみの充電器でオッケー!
- 新旧デバイス混在です!
-
USB Type-A(標準)とUSB Type-Cポートがあるものを選びましょう!
- 一人暮らしです!
-
3口くらいある65W対応の充電器を選べばオッケー!パソコンも充電したいなら、100W対応の充電器がベスト!
- 持ち運び前提です!
-
軽くてコンパクトで、折りたたみ式プラグになっている充電器を選びましょう。窒化ガリウム充電器はこの要素を満たした製品が多いので、一番相性がいいです!
- 安くて怪しくないGaN充電器がいいです!
-
まず、PSE(日本の電気用品安全法)認証を取得している充電器でコスパのいいものを選びましょう。
- 自分短気なので充電に時間がかかるのが嫌です
-
わがままですね。そんな人はPD(PowerDelivery)対応かつ、QC(Quick Charge)のGaN充電器を選びましょう。
持ち歩きにオススメの窒化ガリウム充電器

安全性を重視するなら日本製、コスパを重視するなら海外製・・・と言いたいところですが、最近はPSEマーク取得している海外製品も増えてきて、安価で安心な充電器も増えてきていますよ!
ということでオススメの窒化ガリウム充電器をまとめてみました。
内容 | VOLTME Revo67 | CIO LilNob | Anker Prime Charger | Anker 747 Charger |
---|---|---|---|---|
画像 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
価格帯 (税込) | 5,480円 | 6,488円 | 8,990円 | 14,900円 |
ワット数 | 67W | 45W | 100W | 150W |
USB Type-Cポート数 | 2 | 2 | 2 | 3 |
USB Type-Aポート数 | 1 | 1 | 1 | 1 |
PD対応※1 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
QC対応※2 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
PSE認証 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
PPS ※3 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
折りたたみ式プラグ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
サイズ | 5.9×5.5×3.2cm | 66×41×30mm | 6×3.9x 4.2cm | 68x61x 31mm |
重量 | 160g | 110g | 178g | 232g |
PDはUSB Type-Cポートを使用して最大100Wまでの電力供給を可能にする規格です。
QCは米国QUALCOMM社が開発したスマートフォンやタブレット向けの高速充電規格です。
PPSはUSB PDの拡張規格で、より細かな電圧と電流の制御を可能にします。
窒化ガリウム充電器まとめ

現在、窒化ガリウム充電器は高性能な充電器の主流になりつつあります。特に、AppleやSamsungといった大手メーカーが公式の充電器を付属しない流れになっており、ユーザーが別途購入する需要が高まっています。
窒化ガリウム充電器は、小型で高出力、発熱が少なく効率的という大きなメリットを持っています。デメリットとして耐久性や価格の高さが挙げられますが、
信頼できるメーカーの製品を選べば問題ありません。
- スマホ・ノートPCの高速充電をしたい人には最適
- USB-C PD対応製品を選ぶと汎用性が高い
- 日本製は安全性重視、海外製はコスパ重視
今後さらに進化していく窒化ガリウム技術に注目しながら、最適な充電器を選びましょう。
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